免疫細胞の70％は腸にある

人間の体には、細菌やウイルスなどの異物から身を守るための免疫という仕組みがあります。しかしもともと食べ物や花粉などの体に害がないものが、免疫システムによって異物とみなされたときに、この異物を追い出そうして免疫が働き、肌にかゆみなどの症状を引き起こすのがアトピー性皮膚炎の原因のひとつです。

アトピー性皮膚炎などのアレルギー性の疾患には、腸内環境が大きなかかわりを持っています。例を挙げると、短鎖脂肪酸という腸内細菌の働きによって作られる物質がアレルギー反応を軽減させるという研究結果も報告されています。

免疫細胞のうち50％は小腸に、20％は大腸に集中しています。小腸の表面には病原菌などの外敵から身を守るリンパ節に命令を出すセンサーが大量についており、また大腸には100兆もの腸内細菌が住んでいて、これらの細菌のバランスにより免疫力が上がったり下がったりします。そのため、腸内環境を整えることは、アトピー性皮膚炎の症状を改善させるために非常に重要なこととなります。

腸内環境を整えるには、善玉菌や食物繊維、オリゴ糖が豊富に含まれている食品を摂ることが大切です。また、糖質を溶かすコルチゾールという副腎皮質ホルモンが分泌されますが、このコルチゾールが血糖値を安定させるために使われてしまうと、アトピー性皮膚炎の症状の悪化を招いてしまいます。腸内環境が整うことで免疫力が上がり、アトピー性皮膚炎の症状が改善することが可能です。食生活を改善することでアトピー性皮膚炎の症状を軽減することができるので、自分の食生活を今一度見直してみることをおすすめします。

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